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「ルビィ」/ 重松清 レビュー

ルビィ

 

評価:★★★★★

 

 

二人の幽霊ルビィとダザイさんが、人生に絶望している人たちや死ぬ運命にある人たちにちょっとした救いをもたらして、命を救っていく物語。

 

 

車のサイドブレーキが外れてゆっくりと坂道を下っていくように、ゆっくりと自死へと進んでいく人たち。

人生に絶望してまず心が死んでしまって、そこからゆっくりと死に進んでいく。

そんな死に方って確かにあるのかもしれない。

 

そうやって死にゆっくりと近づいていってしまう人たちを、二人の幽霊ダザイさんとルビィが救っていく。

この二人の幽霊には、人の記憶や心の中に入り込む力があり、その力を駆使して、死にゆく運命の人に小さな、でもとても大きな救いをもたらしていく。

 

その救いがなんともいえない絶妙さで、とっても些細な救いなんだけど、生きていくにはそのくらいの理由でいいんだ、と思わせてくれる。

 

すごく良かった。この小説を読んでいると、生きているのも悪くないな、と思える。

 

最後、ルビィへのメッセージで締める構成も、とてもいい。

 

生きていることにも、死ぬことにも中途半端になっている人たちへのメッセージ。

 

ぜひ、読んでほしい。

 

ということで、星5つ。

シェパードハウスホテル 第1巻 レビュー

 

評価:★★★☆☆

 

感想:

死んでしまった幽霊が成仏までの間を過ごすホテルの話。

 

 

無理に感動をさせようとする話は少ないのは好感が持てる。

 

一番好きなのは、仕込んだベーコンを完成させることで霊を成仏させる話。

 

人の幸せとか生きる理由って、案外こういう些細なことでいいのかもしれない、と思わせる話。

 

 

ただ、どうしても全体的に題材が暗い。

幽霊たちが主役なので、人の死から物語がスタートする。

 

なので、どうしても悲しい結末が待っている。これは、題材を幽霊にしている以上避けられない点ではある。

 

 

特に暗いのが、チャプター4の「地獄の風景」。

 

舞台となっているホテルである「シェパードハウスホテル」には、霊の望みを叶える力があるのだが、生前に罪を犯してしまった霊が望んだのは、犯した罪への「罰」だった、という話。

 

霊が悪夢に襲われることで、罰を与えられ、成仏していく。

 

暗い。暗すぎる。もう少し救いがあってもいいのではないかと思ってしまう。

 

 

罰を与えられることが救いなんて、ちょっと暗すぎる。これはあくまで好みの話になってしまうのだけど、もう少し救いがある話の方が好きだな。

 

ちなみに、第1話では霊があっさり成仏してしまって、もう少し成仏する理由とか、語ってほしかった。

 

なんかかゆいところに手が届かないというか、ストライクゾーンから離れた話が多かった印象。完全に好みの話になってしまうのだけど。

 

 

ということで、今回は星3つの評価。

 

 

 

かげきしょうじょ!!13巻 レビュー

評価:★★★★☆

感想:

まず、戦争の話と紅華歌劇団の話から始まる。

戦争はたくさんのものを奪ってしまうけれど、それでも負けずに歌劇団を復興させた人たち。なぜその人たちは頑張れたのか。それは、人には夢が必要だから。そして、人は一人ではないから。一人ではできないことでも、みんながいれば必ず夢は復活する、そんなメッセージが込められた話だった。

 

そして、さらさの両親の話へ。

さらさの母が初登場。さらさに負けない癖っ毛で、デザイナー?と思われる個性的なキャラ。ニューヨークで夢を追うために、(悲しくもさらさを置いて)海外に行っている。このさらさの母が次の巻からどのような伏線になっていくのか、楽しみだ。この巻の最後で登場したさらさの母の知り合い?ベンジーも、今後物語の中で大きな役割を負っていきそうな伏線が張られていて、楽しみ。

 

この巻は歌劇団の夏休みがメイン。閑話休題といったところか。

100期生にとっては最後の夏休み。これから音楽学校編が終わり、プロ編が始まっていくのかとわくわくさせられる。

 

ちなみに、愛ちゃんの寝起き姿や、猫を可愛がる姿がかわいい

愛ちゃんのデフォルメ姿が可愛くて仕方がない。あの無口で無表情な普段のキャラと、たまに見せるデフォルメ姿のギャップがかわいい。

 

 

これ描いて死ね1巻 レビュー

評価:★★★☆☆(星5つ中3つ)

 

 

あらすじ:東京の伊豆王島に住む、友達のいない女子高生の安海 相はマンガが大好き。

 

特に大好きなマンガ家である☆野0先生が、コミティアに新刊を出すことに。

 

相は伊豆王島から東京のコミティアまで☆野先生に会いにいくが、なんと☆野先生の正体は、自分をいつも厳しく指導している学校の先生で、、、というストーリー。

 

 

感想:

 

温かいマンガだと思う。

 

ちょっとしたシーンとか、全体の雰囲気から、作者が本当にマンガを愛していることが伝わる。

 

 

構成がシンプルなためか読みやすいが、絵は若干拙い感じが見受けられる。

 

また、王道なストーリーで読んでいて気持ちがよいが、まとまり過ぎている感はある。

 

 

良いマンガだとは思う。

 

ただ、これからライバルが出てきて切磋琢磨したり、マンガ同好会で友情を育みながら、プロの道を目指すのか葛藤して、なんだかんだでその内プロの道を目指して、、、となんとなく展開が読めてしまう。

 

2巻を買うかといわれると、微妙。いいマンガだとは思うんだけど、、、。

 

 

 

 

 

かげきしょうじょ!! 8巻

良かった。相変わらず良かった。

愛ちゃんが娘役から男役に変更になるかも、ということで、さらさとのライバル関係フラグが立って、最高に良い。

ドラマを成立させるには、こうやって一波乱あったほうが盛り上がりそう。

 

かげきしょうじょ!! 7巻

聖がめちゃくちゃいいキャラだったのに、退場というのがショックだった。

本当にいいキャラだったのに、残念だ、、、。また出てきてくれるだろうか、、、??

かげきしょうじょ!! 5巻

良い。あまりの良さに語彙力を失ってしまい、良いという言葉しか出てこない。

聖の性格の悪さというか、こじらせている感じがどこからくるのか、番外編で上手く描いていると思う。

他の人とは違う感性を持った自分、それでも自分が好きなものは好きだという覚悟。

そういうものを学んでいく過程で、あの歯に衣着せぬと振る舞いの感じが生まれて行ったのだなぁと想像させられる。

聖がいいキャラで好きだな〜